表明書

                        

平成29年6月18日  

 弊社はエイベックス・デジタル株式会社とWEB配信映画『GEEK(仮題)』(監督:ジュゼッペ・トルナトーレ)に於ける製作責任に関して東京地方裁判所に於いて争いを続けてきました。しかし五ヶ月間の審尋の末、残念ながら6月15日夕刻裁判所より弊社に対し破産開始決定がなされました。
 弊社はこの事実を重く受け止めていますが、即日上級裁判所へ異議申立を行い、エイベックス・デジタルの不当性を訴え、裁判所へは映画製作への真摯な理解を求め、再度法廷で破産宣告を覆すべく争っていく所存です。

 この争いの元となる製作作品は、2016年エイベックス・デジタル出資・製作の先ほど紹介した『GEEK(仮題)』です。本作品は日本人出演者、日本が舞台(一部イタリア撮影)の実写WEB配信用長編映画(約90分)で、原作・脚本・監督は映画「ニュー・シネマ・パラダイス」等で高名なイタリアの世界的巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督です。『GEEK(仮題)』はイタリアひいてはヨーロッパ最上の才能と日本の最先端の技術が原案レベルから一対となり、インターネットを通じて世界に発信するという珠玉の映像プロジェクトでした。そして2013夏より弊社の企画として、私とトルナトーレ氏は、プロデューサーと監督として初コンビを組み実質的に『GEEK(仮題)』の製作はスタートしました。
 しかしこの後二年半のプリプロダクション(撮影準備期間)の間、エイベックスデジタルの無理難題の強要は業界の常識を大きく逸脱してしまいました。具体的には監督さえ痛烈に拒否していたイタリア撮影の強要、出演者の指定と強要、当初条件に無かった4K撮影・編集・納品の一方的押し付け、それによる製作費高騰分の負担の拒否、スケジュールの圧迫等です。しかし2016年初頭、後戻りできない状況でイタリアロケを強行、予想通り半分以上のスケジュールが撮影不能となりました。同年3月からの日本撮影は上記の理由が重なり撮影続行困難な状況となり、主要責任者のエイベックス・デジタル関係者、監督、弊社並びに関係者全員合意の上、本作品は撮影を一旦停止することとなりました。(※上記幾つかのエイベックス・デジタルの弊社への強要に関しては、下請法違反、独占禁止法違反の疑いがある為、現在公正取引委員会に対し相談中です。)
 2016年以降、弊社は再撮影の準備に奮闘していた最中、同年夏エイベックスデジタルの首脳陣が交代してから状況は一変しました。エイベックスデジタルはこの『GEEK(仮題)』の製作を最終的に放棄するようになったのです。そして過去の製作費全額返金と今後もし継続する場合でも、追加製作費の弊社全額負担を求めてきたのです。同時期エイベックスデジタルの本作品に関わった同社の社員達が私に語った言葉によると、弊社へ全責任を負わせようとする本当の理由は、上場企業特有の株主対策であり、仮に弊社が破産して支払い不能となれば、製作費が戻らなくとも、経理的には全額を損金として計上可能になるうえ、弊社に責任を負わせる事で社内、社外、グループ会社への体面も保てるとのことでした。これがエイベックスデジタルが弊社へ不当なる事を仕掛けてくる理由である事を、内部の者が示唆していました。
 結果2017年初頭司法システムにおいて極めて例外的な、確定判決がないまま債権者から裁判所へ破産開始を申し立てるという手段で、弊社に対して死刑判決に等しい破産申し立てをしてきたのです。破産法の理念にも反する疑いのある行為であり、大企業の悪意・エゴが形になった瞬間です。

 映画作品に於いて業務のスキル、企業力、資金力は必要です。しかし絶対的に無くてはならないものは、表現すべきものに対する《理念》と《愛情》です。手前味噌ですが私と監督、スタッフにはそれがありました。しかしエイベックス・デジタルにそれが致命的に欠如していたのです。私のミスはプロデューサーとして早い時点でそれを見抜けなかった事です。これが弊社と私の今作品に於ける最大の罪と感じ強く反省しています

 弊社は今後、この大手企業の道徳観を上級裁判所への抗告を通じて問いて行きます。それと共に映画製作の信義とは何か?もの作りの正当性とは何か?を裁判所に訴えていくことも私の役目と思っています。そしてこの不当な破産申し立てに対し最後まで紳士的に争う所存です。
 巨匠トルナトーレが描く、WEB配信映画史上最大の作品『GEEK(仮題)』を未だ提供できていない事を、プロデューサーとして皆様に深くお詫びいたします。
 ただし本作品は現在あくまで一旦停止状態です。今後監督共々製作を再開し作品を発表する事が私の最大の使命と感じています。何卒よろしくお願いいたします。
 最後の言葉として・・・《それを許すな!映像作りが殺される。》

株式会社小椋事務所 代表取締役社長 小椋悟

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